kurakenyaのつれづれ日記

ヘタレ リバタリアン 進化心理学 経済学

糖尿病とカロリー制限 or 経済危機と銀行規制

こんにちは,皆さん.


前にも書いたように思いますが,もう一度. 友人曰く,「お前の理屈である,政府活動が問題を生じさせているから政府活動をやめさせようという考えは,あるいはもっともかもしれない.しかし,現実にはすでに問題は生じていて,病人に直面している医者と同じように,今この時点でどう処置すべきかを考えるしかないんだよ」.


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ここで仮に,糖尿病で足の切断の必要が生じたケースを考えてみましょう.そもそも論で言えば,「糖尿病になるような食事を減らせば良い=炭水化物などを始めとした食事を減らせば,糖尿病にはならない」はずです(1型を除く).とすると,現在のような多様な治療のための新薬研究などは必要ない(少なくても国家補助すべきではない)ことになります.


これとまったく同じ論理で,「そもそも銀行に預金の貸出を許さなければ経済変動は発生しない=預金を銀行にきちんと保管させれば,経済変動の問題は発生しない」はずです.しかし現実には預金を流用するような仕組みが作られていて,大きな好不況の波が発生しているため,それをなんとか制御するための経済学が求められているというわけです.


僕の父は長年タバコを吸っていました.その結果(に違いないと思いますが),肺気腫に続く全般的な肺機能の低下で,高濃度酸素を生成する機械からのチューブを吸い,気管支拡張剤を利用しつつ,なんとか生きています.これもまた「タバコをなくせば,気管支拡張剤は(ほとんど要らなくなる)という命題に結びつくと思います.


結局,難しいのは「そもそも論でAをしなければ,Bは起こらない.だからBが生じた場合の,対症療法は必要ない」という論理です.現実には「Aは広く実行されている」,その場合にはある頻度でBが発生し,結局のところ,「Bに対する処方箋」が必要となるのです.


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人びとはフォアグラという美食と同じように,政府の活動を強く「望んでいて」,それが引き起こした結果(糖尿病や経済危機)に対しても,結局は何らかの政府による対策が必要となってしまうということです.これは難しい問題で,僕にもいいアイデアがありません.うーーーーーん.


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