kurakenyaのつれづれ日記

ヘタレ リバタリアン 進化心理学 経済学

7章 インフレのミクロ理論

さて性懲りもなく,第7章へ突入.


デ・ソト=ミーゼス=ハイエクによる,現在の主流派経済学批判を,これからいくつか.


まず今日は,「主流派はマネタリストケインズ学派も,インフレがどうやって発生するのか,というミクロ理論を持たない」という批判.


これは正しい批判です.例えば,スタンダードな貨幣数量説では,貨幣量が増えると,自動的に物価が上がるが,その具体的なプロセスの説明はないのです.実際には,通貨は粘性のある流体のようなものだから,注入された投資家(と銀行)が利益を得て,それが次第にインフレになって他の人びとを害するプロセスがあるはずです.


というか,論理的にはそうなりますし,ハイエクはこうした問題を詳細に論じています.が,主流のマクロモデルでは,ヘリコプターでばら撒かれる,というようなテキトウな説明をします.その場合,当然,僕の保有する通貨は明日半分の価値になっているのでしょうが,インフレが発生する(ゲーム論的な)ミクロプロセスの議論はないので,そこで誰が特をするのかという議論には当然なりません.


この問題は,本当は流体力学を使ってきちんとモデル化し,定量的に示すべきなのですが,主流派は「そんなの考える意味ないよ」というし,オーストリア学派は「数学を使うというのは社会科学では邪道だ」というので,接点なし!!




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