今日、小生は職場の仕事で選書をしていた。で、10月22日に早くもマット・リドレーの『繁栄―明日を切り拓くための人類10万年史 』が上下巻で発売されることを知ったので、皆さんにもオススメします。
繁栄――明日を切り拓くための人類10万年史(上)
著者:マット・リドレー
早川書房(2010-10-22)
販売元:Amazon.co.jp
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原題は「The rational optimist 合理的楽観主義者」で、交易と生産の特化は、都市を作り、農業生産に先立って、人類の生産性を向上させた。産業革命以後の科学で人類の生活は改善し続けているし、地球環境はよくなっている。エネルギー、食料、戦争など、あらゆるタイプの悲観論は2世紀前からあったが、常に外れてきた。今後もアフリカの市場化によって経済は回復し、それに伴って人口爆発など懸念も低下するだろう、のといった重要な指摘をしている本です。
僕は先日 fuyusyaさんとのメールでもこの話をしたのですが、仮にM・フリードマンが言うように、人類の生産ポテンシャルの半分しか政府規制によって実現していなくても、また、Boldrin and Levineを読んでからの僕の視点では、政府規制によって半分しか経済成長が実現していなくても、それでも人類は確実に進歩し続けるはずです。
これこそ合理的楽観主義であり、昔からリドレーのファンであった小生は、彼がこういった悲観論の支配する時代に一石を投じたことには、快哉を送りたい。まったくもって Bad news sell! の法則で、世の中が悪くなっているように思っている人が昔から左翼には多いが、そこで安直な文明批判、科学批判につながるのがオチというわけです。
リドレーのように、もっとまともなことを言う人が増えて欲しいものです。