皆さん お久し振りです。
日本の自動車市場は２００９年に大きく落ち込んで、韓国の現代自動車は日本から撤退したというから、残念な話だ。まあ、日本には若い人間もそんなには生まれていないし、おまけに社会保障制度のおかげで、少数の若年層から多数の高齢者に所得が強制的に再配分されている。こういった現状では、日本では自動車が売れないのは当然だし、日本市場はアジアの会社に対しては、大変にコンペティティブなので、やむを得ない。つまるところ、今回の不景気は単なるキッカケでしかなかったということなのだろう。
しかし現代自動車に限らず、サムソンやLGも、世界的に見ると絶好調だ。１９９４年にソウルに滞在したとき、自動車やカメラ、飲料などの多くの商品が日本のもののコピーなのに驚いたが、その時から大きく時代は変わって、韓国企業もオリジナリティが生まれてきたということなのだ。アメリカでもそうだが、世界的に見ると、サムソンのブランド価値はソニーに並ぶか、あるいは抜いているという。
正直、昔の韓国車というのは、安い日本車みたいな感じで、なんかデザインも性能もパッとしないと感じていた。が、今回の滞米期間に現代自動車のソナタやジェネシス、が大量に走っているのを見て、そのデザインと存在感に、韓国車もついに日本車に並んだのだということを痛感した。Costcoに行っても、サムソンのテレビは、今やソニーやシャープのテレビと並んで、最前列に並んでいる。ぜひともこういった商品が、国別などというつまらない枠で区切られないようにしてもらいたい。
注文を付けるなら、今の韓国製品には唯一無二と言えるほどのものがないことだろうか。いつの時代でも総なのだろうが、追いつくのは比較的に簡単なのだが、独創はさらに高いものを必要とする。独創には成熟のための無意味な冗長さがつきものなので、さらに時間がかかる。あと１０年もすると、何かクールな商品が韓国から来ることを期待したい。
同じような話だが、先日はうちの家族が浅田真央を応援していたのだけれど、残念なことにキムヨナに負けてしまった。なぜ最高難度の技をこなしたのに負けるのかは不思議だ？それはともかく、こういった文化的な要素はそれなりの物質的な繁栄がないと実現しないものだから、韓国文化もついに日本と同じ成熟度に達したのだろう。
僕は韓国人も日本人も、あるいは中国人もポテンシャルはほとんど同じだろうと感じているが、つまりは最初に西洋文化を取り入れた日本が一日の長があったわけだ。昨今アジアを席巻中の韓国ドラマのように、韓国からいろんなトレンドが生まれるようになれば、今のように平均賃金ベースで見て、日本のほうが所得が３、４割も高いなどということはなくなる。（この視点から行くと、日本のバブル期が「東京ラブストーリー」を生み出したということになるのだろうか？）長期的には、人口比に応じて存在感のある企業があるというのが自然だ。そうすると、韓国は日本の半分弱になるはずだ。
この考えで行くと、中国が日本の平均賃金に追いつくのには、あと２，３０年かかるかもしれないが、それまでの間、あるいはその時には、今の日本の１０倍程度のプレゼンスがあることになる。食べ物からアニメや工業デザインにいたるまで、今の日本でもそれなりに大きな文化的な存在感があるものだと感じる。本当に今の日本の１０倍のプレゼンスというのが実現するのなら、それはスゴイ。僕はその時に生きていないのかもしれないが、これからの世界では、中国との貿易摩擦などが大きな話題になってゆくのだろう。
