kurakenyaのつれづれ日記

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ラッファー・カーブ

こんにちは。

 

先日知り合いから、アーサー・ラッファーの本をいただいた。ラッファーはレーガン政権時代のブレーンとして、「ラッファー・カーブ」という有名なアイデアを出した人で、もう40年も前から有名だった。彼は当時、南カリフォルニア大学の教授だった。

 

 

簡単に言えば、ラッファー・カーブの考えは、「税率を上げていくと、どこかで人々は働くインセンティブを失い、わずかな限界所得を得るために働くよりも、むしろ余暇を楽しむようになる。すでにアメリカはその税率を超えているので、減税すると人々はより働くようになって、経済成長をする」というものだ。

 

ほとんどの経済学の教科書では、「そうした税率は現在よりもはるかに高いはずなので、ラッファーの言うことは間違い」という説明があったと思う。しかし、ラッファーが言うように、「経済成長は、最高の知性の人々が推進しているため、彼ら最高率の非課税者が働かなくなることが重要だ」というのは、ボクは同感するが、多くの人は納得しないだろう。

 

最高に稼ぐ人たちがイノベーションを起こしているのなら、(累進課税の)最高限界税率が問題になる。これは大戦直後はどの国でも90%を超えていた。イギリスも日本も、アメリカでさえそうだった。とはいえ、それが現在のように50%程度でどうなのかははっきりしない。

 

さてその他の彼の主張では、「小さな政府」=規制の少ない政府、が重要というものもある。全所得における、同一税率=フラット・タックスも、脱税・減税への努力を大きく減らすため、経済に好影響をもたらすという。これは、自分的にも間違いのない事実だと思う。日本人でも10万人以上が、徴税・納税・節税・脱税のために奔走しているが、彼らの多くはもっとも知的に恵まれている労働者たちだ。彼らの活動は全てマイナスサムで、もし彼らが生産的な活動に従事すれば、どれだけ日本も豊かになるだろうか、、、

 

また「政治家は経済成長率に応じて、(オプション的な)賃金を受け取るべき」というシンガポール的な政策の提言もしている。再選だけを目指して、特殊権益を保護して、彼らから献金を受け取るだけの政治家。彼らへのインセンティブが完全に崩壊しているのは、すべての民主主義国家では疑いない

 

ということで、これらは真剣に導入を考えるべきだ。

 

この本は、ラッファー氏へのインタヴューを文字にしたものなので、とても読みやすい。細かな経済理論への理解というより、むしろロナルド・レーガンはじめ、彼の人生で出会った多くの政治家の逸話を楽しめるのが、もっとも素晴らしいところ。

 

 

一般の政治に興味がある人向けの「小さな政府」の推薦書。軽~く読めるので、ぜひどうぞ。

 

 

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