こんにちは。
良く見ているサイトにEV_nativeさんというYoutuberがいる。この人の主張を簡単に言えば、「これから20年内にすべての車がEVになる。日本は意識の上でも、技術の上でも途上国になってしまっており、特にトヨタなんかの内燃機関への固執=反動性・後進性は残念だ」ということになる。
(テスラファンである)ボク的には、こうした考えには中立的なのだが、たしかに「日本がEV後進国である」という表現は正しいと思っている。
トヨタの豊田章男3代目なんかは、「内燃機関をすぐに捨てるというのは途上国などの現状を考えれば現実的ではないし、日本の産業にとってもヤバい」という主張を繰り返している。それがEV_nativeさんなんかにとっては不愉快きわまりないらしい。
例えばEUが2040年にすべてEVしかなくなったとしても、アフリカやインド・東南アジアでは充電インフラその他の関係で、必ずガソリン車は売り続けられるだろう。だってコスト全体で見れば、安価で信頼性も確立されているのだから。
でも、ある技術が途上国だけで使われて、欧米諸国で使われていなかったなら、そしてそれが単に安いというだけで使われているなら、結局そういう技術は人々から尊敬されないし、いやさらには軽蔑されるようになるだろう。(人間の認識なんてそういう程度のものだ。)
EVは(社会的には)大気汚染もないし、(個人で見ても)振動もないし、圧倒的に速い。航続距離は短いが、それは10年、20年のスパンでは解決されるだろう。結局、充電インフラと道路インフラが整っている欧米諸国ではそれしかなくなるだろう。つまり、内燃機関は途上国向けの安価な(妥協的な)技術だと認識されるようになる。
ここにはアンビバレンツがある:トヨタは確かに、砂漠の王者ランクルなどを中心に内燃機関を残したいのだろうが、それは(利益はある程度あがっても)結局は“貧者の技術”とみなされるだろう。そういった状況を、果たして日本人が望んでいるのか?? これは まったくわからない。疑問そのもの。
ある人は、「最大の売上・利益を維持できるなら、それは最強・最高の自動車会社だ」と考えるのだろうし、別の人は、「先進国=欧米諸国で禁止されているような技術で、いくら途上国で稼いでいても、本当の尊敬はまったく得られない」と考えるだろう。
というわけで、どっちが正しいのかは判然としない。
とはいえ、現在 日本の自動車会社は電池工場にまったく投資をしていない!! 今はトヨタもホンダもCATLのような中国企業に電池供給を期待しているが、それは完全に自滅行為なのは当然だ、、、、だって電池はエンジンそのものだから。
こうして日本国内、あるいは日本企業がまったく大規模=数兆円程度の電池工場の投資をしていないことからすれば、近く日本のEVが完全に競争力を失うことは疑いない(いや実際に、もう日本のEVは競争力が急速に減退しつつある。)
ということで、EV_nativeさんのような人がマトモな解説を毎日繰り返しているのは、まだ救いとでも言うべきなのだろう。
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