こんにちは。
日本が低成長なのはなぜか? という理由には、おそらく人の数だけ思いつく説明があるだろう。 もちろんボクなりにいくつも持っているが、その1つには、人的資源配分の失敗があると思う。それで、ここで少し展開してみよう。
日本では学部を選んで、大学に入学する。これが失敗の原因になる。 日本人は、集団主義的だし、知的好奇心も弱いので、政治学部に入ったら、そのまま他の学部の内容を知らずに、先生の言うことをそのまま覚えてしまう。これが政治学なら、(前のポストの「国際政治学」参照)、どうでも良いことだろう。
でも、日本の医学部はヤバい!!
ボクが高校生だった時代から30年以上が経って、今ではどの国公立大学の医学部でも東大の理 I, IIと同じ偏差値になっている。しかしながら、医学なんてヒトという生物についての、単なる雑学辞典みたいなものなので、人間活動の生産性を上げることはないし、理論的に大きな前進を見出すこともない。経済学に例えて言うなら、目先の超短期的な利益のために、超長期的な経済発展を 完全に犠牲にするようなもの。
理系でもっともデキる子どもが、東大の理IIIに行く! これってムダそのもの。彼らのほとんどは数学や物理の才能に溢れているし、実際に興味もあるのに、その能力を活かすことのない医学、それも臨床に向かうなんて。。。。
もちろん、もっともデキる学生がその能力を示すために理IIIを受けることは理解できるが、それはノーベル賞への道ではないし、いわんや世界を便利で豊かにするための天才プログラマーへの道でもない。 つまりは、最高の才能を持つ18歳の行き着く 完全などん詰まり・・・・
よく知られているように、「大学への数学」をやっている多くの高校生が医学部に行く。実際にボクの高岡高校時代の友人も、数学が好きで、その結果、京都大学の医学部へ進学した。しかし、医学では単純な統計(例えば、相関係数程度)以外は、まったく数学なんて必要ないですよぉ――――!!
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プリンストン大学に行くなら、まずは学部なんてなくて、全員が同じ土俵で入学する。医学に興味が湧けば、あるいは元々あるなら、pre medと呼ばれる、将来のmedical school進学に役立つbiology, chemistry, bio-chemistryとかを主に学習する。こっちのほうが人間の成長に即していて、健全だろう。また物理学よりも、生化学のほうがはるかに医学には有意義だ。
日本のように、17歳、あるいはもっと早い16歳の時点で医学部進学を決めるなんて、ありそうもないし、よっぽど非現実的だろう。
プリンストンで最高に優秀でも、数学に進んでもいいし、物理学者になっても良い。あるいはプログラマーになって、世界を変えて大富豪になっても良い。ほとんどのもっとも優秀な高校生にとっては、そういう人生を選んだほうが、はるかに自己実現にもなるだろうし、同時に日本人全体の生産性の向上にもつががるだろう。
なんで、日本人のもっとも優秀な高校生を医者なんかにさせて、単なる雑学を覚えさせるのか。結果として、余命幾ばくもない老人の命を3ヶ月伸ばすだけの作業に勤しませることになっているのか??
この国の制度は、まったく理解に苦しむ。。。。
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