こんにちは。
最近 流行りの言葉はブルシット・ジョブ、bullshit job。まあ「クソ仕事」とでも訳されるほどの、無意味でどうでも良くて、くだらない仕事。
Bullshit Jobs: A Theory (English Edition)
- 作者:David Graeber
- 出版社/メーカー: Simon & Schuster
- 発売日: 2018/05/15
- メディア: Kindle版
では今世紀に入ってブルシット・ジョブが急増しているのは、なぜか??
官僚主義の跋扈というのが、もっとも普通な説明だ。リバタリアンとしては、当然のことだが、その通りだと思っている。
大学に努めて26年になるが、クソ仕事はまさに急増してきた。実感としては、全労働時間の10%から、次第に50%ほどになってきたという感じ。すべての授業の出席確認、八股文的様式美を追求する完璧なるシラバスの作成、どうでも良い研究をするための科研費の申請、誰も見ない文科省外郭団体への大学紹介プロフィールや研究履歴書の作成、誰も読まない授業評価アンケートの実施と感想文の提出、担当学生一人ひとりの長所の作成や提出、避難訓練や公開講座、高大連携授業の担当などなど、文科省の推し進める大学改革から生じるクソ仕事にはキリがない。
厚生省の強制する精神衛生アンケートなども煩わしくて、記入することでウツになりそうだ。なんでもやろうとするのは良いけど、とにかく強制するのは止めてくれよ。
余談だが、センター入試の監督者要項が200ページ以上あることは、この業界では当然。だが、それを年中考えている役人以外のすべての監督者にとって、そこまで細かな条項が書かれていても読めるはずも、理解することも、実行することもできるはずがない。こんなマニュアルの作成・配布・準拠、これこそクソ仕事!
だが、おそらくこうした事態は、ほとんど大企業でも起こっているはず。社会が求めるものが多様で、かつ高度化しているから、LGBT対策の勉強会から、法務担当によるSNSの使い方の注意などのどうでも良い勉強会がやたらと多くなっているはずだ。
結局なんと言うか、人から、世間からの批判・非難を避けるためには、どの組織でも官僚的なアリバイ作りの書類仕事は増えてゆかざるをえない。これこそがまさに世界の生産性を低下させているのだから、可及的速やかにAIに書いてもらいたい。