サンケイ新聞は完全に保守に特化した情報発信をしているが、
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110117-00000087-san-pol
なんか読むと、単なる外国人嫌いだ。特に中国人。
先週、新宿伊勢丹に行く機会があった。カンコドリが鳴いている他のデパートと違って伊勢丹は勢いがあるからか、中国人ツアーに組み込まれているようで、中国人観光客比率が高いように感じる。20−30%といった感じか。エレベーターに載った時のこと。小生と二人の50代とおぼしき女性二人が乗っていると、1階で止まり、50代の夫婦と20代の子どもという感じの中国人観光客っぽい家族が乗り込んでこようとした。と、その時、家族の母親が何か言って、家族は乗るのをやめて降りて行った。
ドアが閉まって7階まで上昇する間に、
「最近、多いのよねーー。
富士山に行っても中国人ばっかりでしたわよ。
見た目じゃわからないじゃない。
怖いわですよねーー。」
との会話。ありがち感想なのは分かるが、おばさんたち、僕が中国人で怒って殴ってきりしたら どうすんだろ??
というわけで、よそ者嫌いは人の常だ。僕としては、各地に中華街ができてもいいと思うし、それで日本人地主が潤うのなら、結構なことだ。なんといっても、中国人やブラジル人は土地や建物を買うのであって、それに対しては、対価が支払われるのだから。外国文化の受け入れも結構なことじゃないか、しょせん、漢字もひらがなも、カタカナも、仏教もよそ者だったのじゃないのか? 文化なんてのは、時代と共に変化していくのが自然だろう。
そもそも漢字なんていう、よそ者の文字を後生大事にしている人間に限って、中国ギライだとか言うのはひどくフシギなことだ。「安室奈美恵」「山口百恵」その他の日本の漢字が中国で商標登録されて困っている話があるが、これには二つの解決法がある。
一つは、マトモに中国人の不公正さを訴えるやり方。まあ、これもアリかもしれないが、正論の通じない中国という国家に住む人達への対応としては、不可能という程度に難しい。
もうひとつは、韓国人やベトナム人よろしく日本人が漢字を捨てるというもの。こっちのほうがよっぽど今後の世界に適合しているし、いまさら漢字から学ぶものなどないのだから、明治改革、敗戦に続く、さらなる教育内容の大改革が必要だ。(ちなみにこのことに反対する人は、医学や数学、物理、工学などの論文のすべてが英語で書かれていることをよくよく理解してもらいたい。)
とこんなことを書くと、さらに「漢字は表意文字だから、脳トレにいい」とかいう人がいるから、これまたフシギだ。(武田鉄矢じゃないが、そういう人に限って妙に人格者だったりするから、余計にヤバい。)そういう人は、韓国人がバクチョンヒの独裁時代に漢字を捨てて、何か知的に失ったものがあるとでもマトモに考えているのか?? (このところのLG サムソンの躍進は、むしろ時間のかかる漢字学習なんかのバカバカしさを捨て、各人が外国語学習を進めたから生じたのではないのか??)
結局、僕らのように漢字で教育されてしまった人はドンづまりだ。そして、次世代にセッセと漢字の(アリもしない)重要性を説くというのは、年金制度の維持に向けた政治活動をするのと同じだ。次世代の不利益を理解しながら、自分の利益を道徳的に肯定する。道徳話は好きではない僕だが、何が老害で醜いかっていえば、こういった隠れた保身のために次世代全体をつぶすことだろう。