kurakenyaのつれづれ日記

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自民党は変われるのか?

たまたま自民党衆院議員である河野太郎氏の「私が自民党を立て直す」という本をもらったので、読んで見た。僕はこの手の議員の本というのは、ほとんど読まない。多くの政治家の主張する政策はバラバラチグハグで、読む価値などまったくない。


しかし、河野議員は「みんなの党」の山内議員などと、昨年まで自民党の行革担当をしていたので、基本的には、小さな政府、小泉路線、である。読んでみることにした。これまでの自民党が政党として存在せず、単なる権力を目指す寄り合い所帯になっていたという率直な認識はまことに天晴れだといえよう。


具体的な主張としては、賦課方式の現行年金制度の廃止、消費税による年金制度の一本化、無意味な規制と外郭団体の廃止、などなど小さな政府主義者がほとんど共感できるものだ。興味深いのは、すでに原子力利権となってしまっている、核増殖炉は金銭的に数十兆円の損失となり、見合わないから即刻やめるべきだという意見だ。こういったまともな費用便益についての意見を持つ政治家は少なく、まさに慧眼である。


反面、日本の発言力の国際的な地盤沈下を食い止めるべきだ、また日米同盟を重視すべきという意見は、ハト派からは反論もあるだろう。しかしこういった政策的な議論が避けて通れない。どう考えるにしろ、鳩山首相のように、「何も考えていませんでした」という愚は河野氏は繰り返さないと期待できそうだ。


河野氏河野洋平衆院議長の息子なので、父の代から愛着のある自民党を去るよりも、内部にとどまって改革することを選んだのだろう。ぜひとも河野氏には今後の自民党のリーダーとなり、民主党社会主義政権と対抗してもらいたいものだ。