kurakenyaのつれづれ日記

ヘタレ リバタリアン 進化心理学 経済学

財政出動の懲りない話

僕は大学の図書委員もやっていて、多くの書籍を学生のために選んでいる。おそらく年間には1000冊を超えるだろうと思う。とはいっても、僕自身が読むのはその10分の1にも満たないし、自分の買ってる本を大学生が読むとも思えない場合も多い。


さて、その関係で、先日キャスターの辛坊さんという人が描いた「日本経済の真実 ある日、この国は破産します」というのが売れているのを発見して、トットと読んでみた。内容としては、当然ながら、「日本の国債残高は1000兆円も近い上に、財政赤字は急増中だから、破産する日は近い。そういう日本ではなくて、小さな政府で活気のある民間経済を構築しなければならない」というような、至極まっとうな「小さな政府」派の意見をやさしく解説してあるものだ。


論敵としてあげられているのは、亀井静香さん、あるいは三橋貴明
http://mitsuhashi-takaaki.jp/wordpress/?page_id=10さん、
などのようだ。公共事業を望ましいものだという考えは、多くの政治家が共有しているものだろう。政治活動の本体なのだから。


ギリシャやあるいは昔のアルゼンチンのように一度混乱がないと、なかなか財政赤字の問題というのは有権者にとっては、理解する価値がないのだ。あるいはハイパーインフレではなくて、年率10%くらいのインフレでソフトランディングというのも、政治活動を重視するタイプには多いのかもしれない。


財政出動がよい事だという人には、そうではないと説得するのは難しい。その理由は、財政出動が国家という「強制装置」が行うため、反対する人にも、強制できるためだ。ロスバードが繰り返したように、強制的に ものを買わされて幸せになる人はいないにもかかわらず、なぜか財政出動の効果云々というとき、そういう根本的な部分を無視するのは、われわれが学校で教えられた国家万能教のためだろう。


この点はKnight Libertyさんのブログ
http://d.hatena.ne.jp/KnightLiberty/20100429
http://d.hatena.ne.jp/KnightLiberty/20100508
を読んでもらうと、面白いしためになりますョ。