kurakenyaのつれづれ日記

ヘタレ リバタリアン 進化心理学 経済学

フシギなこと再論

前にラジオがネットでも聴ける記事を話題にしたが、その時、「なんでラジオの周波数なんてある必要があるのか?」と書いた。


で、そのradikoというサービスが予想外の人気になったということが
http://japan.cnet.com/column/pers/story/0,2000055923,20412818,00.htm
なんかに書いてある。結構話題になっているので、多くの人が注目していると思う。


でも変なのは、そんなに人気が出るコンテンツになったのなら、「思い切って周波数を返上して、ネットだけでやります」というラジオ局がないこと。だけじゃなくて、さらには、東京のラジオ局が大阪で聞けたりするのはルールに違反するとか言って、自主的にIPアドレスの地域的な締め付けを強めている点。つまり、総務省から「どこでもきけるんじゃ、周波数は返上してもいいでしょ」とか言われるのを恐れているのだろう。ラジオと同じ内容をネットでやる場合、音楽などの使用に対しての特例が効かなくなる、つまり特別な待遇が剥奪されるからだ。


こういうのは本当にバカバカしい話だ。なんで、上述の記事の著者も含めて、だれも「ラジオはこれから全部ネットでやって、ついでにテレビもそうしよう」なんていうマトモな意見が出ないのか??


で、同じような話が、ネットについてのジャーナリストとして一番有名であろう佐々木俊尚さんの
http://japan.cnet.com/blog/sasaki/2010/04/29/entry_27039509/
の記事。これは内容はスゴク良くて、つまり「光の土管を作っても、上に走るコンテンツがダメだからネットは日本では普及してゆかないのだ」というもの。実例として医薬品のネット販売の禁止、医師会による遠隔診療の可能性の否定、誰も使わないe-Taxなどなどの、いかにも日本の役所がほんとうのところ、既得権益保護しか興味がないことを嘆いているのだ。


しかし、佐々木さんにしても、なんで、老人向けのキラーコンテンツが遠隔医療だったり、電子カルテだったりするというのか??どう考えても、いろんなテレビ放送が(老人を含めた国民一般にとっての)最も身近でキラーなコンテンツだろ??


この際、周波数の帯域は全部データ通信に開放して、見たい人がみたいテレビなり、ラジオなりの番組を聴取するという画期的かつ斬新なシステムを提案する人がなんでいないのか?フレッツ光でNTTがやれるんなら、別に全部の会社ができるはずだし、リテラシーが低い人がいるというならテレビ番組視聴専用のアンドロイド端末やubuntuの端末があってもいいかもしれない。


電子政府なんて日本の許認可社会のメンタリティではできるはずもないのだろうが、それに加えての、テレビや書籍版権、その他の既得権益保護はまったくもって残念極まりない。