kurakenyaのつれづれ日記

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偽のチャリティ団体

今日家に帰ってきたら、チラシが入っていた。中にはUnited Cancer Reasearch Assciation 全米ガン研究協会と名乗る団体が、チャリティの資金集めのために来週に衣服を集めに来るので、家の前に出しておいてくれとかいてあった。


しばらくのあいだ、持っている服やおもちゃなどのどれかを出そうかと考えていたら、妻がそのチラシは何かと聞いてきた。小生は「サルベーション・アーミーみたいなもんで、チャリティだから何か出そうかと考えているんだ」といったところ、「サルベーション・アーミーって何?」と聞かれた。ので、さらに、サルベーション・アーミーがキリスト教団体であること、さらに日本でも最近はだいぶ活動していることなどを説明しているうちに、自分はこれまで、上述の団体の名前を聞いたことがないことを不思議に思った。「あるいは、これはチャリティを語った単なる詐欺ではないか?」という疑問がふと浮かんだのだ。


そこで自分の部屋に入ってネットで調べてみると、疑いは正しいことが判明した。上述の団体、あるいは数人の詐欺師たちは、単なる偽善活動家で、集めたものを単に売り払って、そのうち1%程度をガン研究に回すことで、税控除の対象を名乗っていることがわかった。数人の書き込みがあって、団体の実態がまったく慈善活動とは異なっていることが報告されていた。ついでに、カリフォルニア州政府によるレポートも。


こういったことは、いかにもアメリカではありそうなことなのだが、実際に見たことはなかったように思う。残念なことに、常に擬態をする人間(と動物)はいる。人々が望ましいと考えるような活動は、普通は本人に様々なコストを支払わせるが、無名性の強い資本主義社会では、善意を装うことによって他人からの信頼を受けて、それを換金することが可能だからだ。


残念ながら、こういった人々への有効な対策は存在しない。「政府」がどの団体が真の慈善活動なのかを判断することは、コストと信頼性の点で逆効果になるからだ。おそらくこういった場合においてこそ、クチコミなどを通じての、長い間の活動の評判に意味があるのだろうと思う。まさにローマは一日にして成らずというものだ。


みなさんも注意してください。