kurakenyaのつれづれ日記

ヘタレ リバタリアン 進化心理学 経済学

human domestication and its resulting statism

「1万年の爆発」は、農業革命が起こってからの人類は、国家を作り、
それによって、支配者階級は被支配者階級を「家畜化」してきたため、
そして、支配者と被支配者は交配をしてきているため、
全体として、「親政府的」あるいは「親国家的」な人々が生き残り、
人間の心性もそう変化してきたはずだと主張している。


これは僕の心に、無政府主義の琴線ににズバッときた!


まさにその通りなのだろう。
国家とそれを肯定する者は、どの文明社会でも大きな利益を受けてきたはずだ。
科挙に受かれば、一族郎党のすべてが大繁栄したのだ。
あるいは古代のエジプトでも(多くの人は興味がないだろうが)ファラオを生み出す王族に次いで、
神官階級が跋扈していて、多くの神官は大きな屋敷を持っていた。
武官は神官よりも位が低かったのだ。
同じように、インドでもバラモンは神官で、武人であるクシャトリアはそれよりも評価が低い。


近代科学の発展以前の「学問」は、すべてが神学であって、
つまりは「あーだ、こーだ」と無意味な理屈をこねるだけ(→オレ:苦)の奴が権力を握って、
国家という強制力を使って、税として資源を収奪して繁栄してきたのだ。
農業革命以来の人類が「親政府的」にならないはずがない。


anacapさんも指摘していることだが
政府がなくなったらどうなるか、ということについて考えることもないままに、
ほとんどすべての人は、政府が不可欠な存在であることに、納得している。
こういった心性こそが「家畜化」(別に悪い意味は含んでいない)なのだろう。
繁殖に有利な心をもったものが、より地に満ちるという単純な事実。


Caplanは「合理的投票者の神話」の中で、
アメリカの政治家の4分の3が法律家であることを引用しているが、
なるほど、「法学は神学のハシタメ」とはよくいった法諺だと思う。
事実法律家は繁栄していることは間違いない。
残念ながら、少なくとも日本の多くのバンカーは法学部出身であり、経済学は学んだこともないし、
経済学部出身であっても、実務家の中で「価格理論」についてそれなりの説明を出来る人に僕はであったことがない。
アメリカではもっと経済学出身者は多いが、あまり変わらない程度の知識であることは、
キャプランも書いているし、Wall Street Journalを読んでも明らかだ。


政府の必要性について論理的に考えるよりも、
どうやって自分が政府の一部となって、その利益に与るか、という問題意識が強い方が
圧倒的に大きな繁殖利益を得ることができるというのが、文明社会というものだ。


はて、そうすると、やはり僕は道を誤ったのだろう!?
いまさら考えても遅いことだが、法学部→官僚・法曹→政治家という何も作り出さず、
他人のポケットから税を取り上げ、活動を禁止するだけの人々がなぜえらくなるのか??
また「偉い」と小学生に教えるのか??
なるほど、これが文明というものの副産物なのかもしれない。