kurakenyaのつれづれ日記

ヘタレ リバタリアン 進化心理学 経済学

ランズバーグ

ランズバーグはたしかにたいへんな知性の人だが、
私見では、やはり何が物足りないかといえば、
そのヒトの進化論への理解だろう。


むろん、彼も進化心理学の隆盛は理解している。
しかし、経済学の前提、
あるいは経済学者の論理の美しさにこだわりすぎのように感じるのだ。


子どもが娘である場合、息子である場合よりも数%は離婚率が高い。
これは婚姻生活がうまくゆかず、
妊娠時のストレスで娘が生まれるという理屈などでは到底説明できないとした上で、
あるいは、社会経済的な地位において高い夫を持つ妻は男の子を産みがちで、
それが離婚の低さにつながっているという説明も十分ではないという。
彼は、全世界的に見て、男子が夫婦に満足を与えるいう世界的な例を引く。
だが、なぜ男の子が好まれるのかは経済学は説明しない。


僕の意見では、おそらくは男子を持った親はその不利益を察して、
離婚しないのだと思う。女性は外見が大事である反面、
家族関係はそれほど重視されないが、
男性は家柄や財産などが重視されることが世界的に普遍的だからだ。

進化理論の究極の理由においては、これらは同じことになる。
なぜ、息子が好まれるのかといえば、
息子を好むような心性が繁殖に有利であったからであり、
つまりそれは、息子がいれば、
婚姻関係の満足度が上がって離婚しないことが繁殖上有利だったからだ。


それにしても、僕もランズバーグのエッセイはおもしろい。
彼の論理的な思考は、ヒトを楽しませる。
また、ライターとしては、slate マガジンのような良質の読者がいるところで
ぜひとも自分も何か書いて意見をもらいたいものだ。