kurakenyaのつれづれ日記

ヘタレ リバタリアン 進化心理学 経済学

hyperbolic discounting etc.

今日は仕事で地元企業の採用担当の方々とのパーティに参加。僕のような世捨て人には話が難しくて、荷が重いぜ、はあー。

ところで、そのパーティの講演にテレビで有名な大物評論家の福岡政行さん(だったか?)が登壇、「今後の政治と経済」みたいな話をして、サッソウとお帰りになった。さすがに大物は違う、と感心した(バク)。

とまあ しかし、どうでもいい話ではないところでは、今日は南本敬史さんのJournal of Neurophysiology の論文

http://jn.physiology.org/cgi/content/abstract/101/1/437

をダラダラと読んでみた。これはサル(マカク)を使った実験で、ある単純な活動を成功させると、報酬(水)が時間をおいて与えられる。その活動の失敗率を計算すると、時間が長くなるに従って、時間選好が確かに、hyperbolic discounting の形をしているというものだ。

ハトやマウスの実験でも、hyperbolic discounting が出ていたし、人間への質問でもそのようだ。マカクでもそうなら、ここには何か神経的な基盤があると考えるのが妥当なように思われる。経済理論では、recursive な特性が好まれて、exponential discounting が使われてきたのは周知の事実だが、ここまで何度もhyperbolic discounting の話ばかり実証されているのを見ると、さすがに(哲学としてはともかく科学者としては)そう考えざるをえないというものだ。


昔から考えてきたように、未来の状態の認知能力と関連した回路の何らかの必然的な特性なのか、あるいは、もっと単純にニューロンのつくる回路全般のweber-fechner的な特性なのか、そのへんはよくわからないが、今後の神経科学、行動学、経済学の課題だろう。


そういう風に考えてしまうと、今までと違ってマクロモデルは解析的には解けなくなってしまうだろうが、あるいは別の部分の変形や単純化(例えば効用関数のKahneman Tversky model)+数値解析で、面白い経済モデルが量産されるようになるかも知れない。