このところずっと、体がダルくてまったく何もできない。が、それでも気を取り直して、Dan Ariely の最新刊 The honest truth of dishonesty の題に惹かれて、読み続けている。
The (Honest) Truth about Dishonesty: How We Lie to Everyone, Especially Ourselves. by Dan Ariely
- 作者: Dan Ariely
- 出版社/メーカー: HarperCollins
- 発売日: 2012/06/01
- メディア: ハードカバー
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Ariely は、本当にとても読みやすくて、そのうえ面白い文章を書く人だ。心理学研究だけではなく、個人的なことも、面白おかしく書いてくれるので、読むこと自体がとても楽しい体験になる稀なる学者ライターだ。
さて、自分がついたウソを、その後自分で信じるようになることは誰にでもあると思うが、そうした自己欺瞞については、生物学者のTriversが本を書いている。それを読んでみようかと思ったが、あまり面白くないようで、アマゾンの書評では多くの人がダメ出ししていた。そうしたタイミングで、Arialy の本が出たので、早速読んでいるというほどの感じだ。
扱っている内容のほとんどは、過去の「不合理だからうまくいく」の延長線上にある。その中でも、特に印象深いのは、「クリエイティブな人ほど、チートが多い」という実験結果。
著者はチーティングが知性とは関係なく、想像力だけに関連していること、さらに、Criativity に向かって被験者をプライミングした場合でさえも、より多くのチーティングがなされることを報告している。
しかし、どうしてなのか?
想像力のある人は、自分のチートに対して、うまい言い訳を考えつく能力も高い。結果、自分はマトモな人間であるという自尊心を維持しながら、チートが出来るということなのだという。
なるほど、そういう部分もあるように思う。既存のわくを破るというのがクリエイティビティであり、ドマジメ四角四面の人物が、チートをするようには思えない。おそらく、ある種の心の柔軟性がないと、うまい言い訳を考えつかないということなのだろう。