ダウン症が99%でわかる技術が開発されたという。
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/nnn?a=20120829-00000050-nnn-soci
こうした技術は早かれ遅かれ、必ず進んでいくものなのだろうが、ちょっと考えてみよう。
障害者の家族の団体は、「特定の価値観による差別を助長し、また本来平等であるべき命の選別を促進することにつながる」という理由から、一般的な出生前診断に反対する。
技術の是非はともかく、まちがいなくこの検査はダウン症の人口を減らすだろう。しかし、ダウン症の個人が今よりも大きな差別を受けるのかといえば、よくわからない。
おなじ障害を持つ人口が多ければ多いほど人びとの理解が進み、差別はなくなるだろうというのは、左翼的な思想が与える幻想である可能性もある。
人びとの共感のキャパシティが無限であるなら、そういうこともあるかもしれない。あるいは若干は増加するにしても有限であるなら、むしろ障害者は少ないほうが、有限な共感の配分が多くなって、より良い人生を生きれるかもしれない。
こうした精神性のようなものは、啓蒙活動のような時代の流れもあるだろうし、あるいは純粋に物質的な余裕からくる部分もあるだろう。なかなか実証科学としては計測などが難しいところだが、人間というものの理解においては、興味深いことでもある。