kurakenyaのつれづれ日記

ヘタレ リバタリアン 進化心理学 経済学

"Factfulness"

こんにちは。

 

Factfulness という本が、確か去年ぐらいから売れていて、かなりアマゾンから勧められてきていた。なんかヤル気が起きないので、ちょっと読んでみた。

 

FACTFULNESS(ファクトフルネス)10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

 

内容は「世界は確かに良い状態ではないが、それでも過去200年の人類社会の進歩はめざましく、途上国を吹くてメタ世界全体は次第に先進国に近づきつつある」といったもの。で、巷間に膾炙する「世界は貧困にあふれており、途上国には進展がない」みたいな認識は事実とは異なっているという指摘を繰り返す。それ以外にも、事実の摘示の主張はいろいろあるのだが、ここでは割愛。

 

何というべきか、この手のある種の楽観論はリバタリアンが好きな主題なので、昔からよく知っているし、読んできている。近いところでは、マット・リドレーの『繁栄』がおすすめできる。

 

繁栄――明日を切り拓くための人類10万年史(上)

 

(ちなみに、この「10万年」という言葉は原著にはない。人類史の視点からすると「10万年」というスパンは、多分 部族間の商業的な交換が4万年前には確認できるということから訳書につけらたのだと思うが、なんかいい加減で好きになれない。多分、サピエンスの創造性が爆発した4万年くらいが本当のところだろう。)

 

さて、もっとガチの主題としては、ジュリアン・サイモンの ”Ultimate Resource” がオススメ。この本は著者が死んでしまったので更新されていないのが残念だが、第2版の終わりには、なんとハイエクからのファンレターが載っている。

 

The Ultimate Resource 2 (English Edition)

 

『ファクトフルネス』についてのアマゾンの書評を見てみると、反対派は当然に納得していないようだ。まあ、破滅主義者の立場からすると、世界が良くなっているなどというテーゼは絶対に否定されねばならないのだろう。こうしたバカらしい伝統は、最近のものとしてはスタンフォード大学のポール・エールリッヒの『人口爆発』から続いているが、doomssayerたちは過去50年の反証には興味がなくて、直感的に世界は悪くなっていると信じるらしい。

 

人は見たいものを見るのであって、客観性や客観的な真実、心理というものが(社会科学に)成立し得るかどうかは、永遠の問題だ。おそらくはヒトの行動戦略の中に世界観の核になる心理が埋め込まれていて、生まれつき悲観的な人と、楽観的な人というのがいて、客観性は成立しないのだろう。

 

ハハハ それで僕のようなお気楽バカは、近くcovid-19にかかって死ぬに違いない(合笑)

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