こんにちは。
大本営発表と聞けば、軍がfake newsを流して、日本が負けつつあることを国民に知らせなかった情報操作だというのが現代の常識だ。それで、おそらく左翼が多いインテリなんかにはかなり嘘っぽいことがバレていたというのが、共通の認識だろうと思う。
でも、半分くらいの人、特に庶民は日本が勝ち続けていると信じていたんじゃないだろうか? だって、誰だって、自国が負けつつあるというのは認めたくないもの。
この30年で日本は大きく凋落してきたが、高齢化と人口の減少が加速するこれからのほうが急速に世界での存在が小さくなるはずだ。このままドラスティックな社会体制の変化がなければ(ないに違いないだろうが、)これは疑いようもない未来予測で、間違っても1980年代のようなJapan as No.1 なんていう時代は戻ってこない。
ところで、ボクは良くテック系のYouTube番組を見ている。すると、NEX工業というチャンネルがあって、「日本の技術は、こんなにスゴい。世界一!」という動画が、これでもかと続く。
どれも、「萌芽的な研究の結果ではそうでした。将来はスゴいことになるよ!」みたいな内容で、とり上げられている技術の採算性や生産性の検証がまったくない。それでもこうしたサイトに人気があるということは、やはり「日本の技術は一番だ」と日本人は信じたいのだろう。
それは理解できるが、事実を誤認すれば、未来の行動への判断を誤らせてしまう。
逆転の可能性もないままに、原爆を落とされるまで「1億総玉砕」を唱えて降伏しようとしなかった日本軍のメンタリティは恐ろしい。でも、こういうサイトを見ていると、それを支えたのはおそらく操作された情報を喜んでいた、一般の国民だったんじゃないかと危惧される。
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