そういえば去年だったかに、西部邁さんが自殺している。
1984年だから、もう35年も前になるが、教養学部で彼の経済学入門の授業をとった。彼は当然ながら、すでに経済学にまったく興味がなくて、限界革命のジェボンズの名前をど忘れしていた。最前列に座っていた学生に、ワルラス、メンガーに続いて、「ジェボンズですよ」と教えられていたのを思い出す。
彼は保守主義者だと言われているが、別に保守と呼ぶほどの一貫・整合した思想があったようにも見えない。そうした一貫性や客観性をまったく目指してはいなかった。むしろアンチ民主主義というか、衆愚政治への唾棄というほどの感覚でものを書いていたと理解している。だって、どれを読んでも論理が明快じゃなかったもの 笑
それにしても自分の最後を自分で決めるなんてのは、本当に勇気があるし、潔い。2人の知人(精神的な弟子だろう)に幇助をさせたところを除いては、ボクも見習いたいものだ。