こんにちは。
久しぶりにビットコインの話を少し。実は、去年の暮に、一般人向けの公開講座という形で少しばかり暗号通貨について話しました。そこでの話でいちばん重要な点だけをここに書いてみましょう。
ちなみに2013年あたりのブログポストを読んでみると、ボクはどうやらビットコインのようなオープンソース通貨が主流になると考えていた。しかし、その後出てきたリップルのような企業型のコインについては、2013年時点ではまったく予想できませんでした。ウーン、世の中は想像を超えて複雑で、かつムズカシイです。
2019年の今となっては、おそらく VISAの国際決済の手数料収入に対して、直接的に対抗するのはおそらくリップルなんかになるのだろうという感じです。ソフトバンクなどの大企業や各種の銀行なんかから支持されているのは、ある意味で納得できます。
リップルはつまりMS Windowsだと言っていいでしょう。これに対してBitcoinはオープンソースのLinuxです。確か20年ほど前にも、ボク的にはLinuxやオープンオフィスのようなもののほうが安定していて、MSのプロダクトよりも良いし、主流になるんじゃないのかと思っていました。
しかし実際の企業・個人のニーズはむしろWindows10、MacOSでした。それらが現在でもコンシューマーでは圧倒的ということは、おそらくヴィジュアル、開発スピードやプロモーション、セキュリティーなどの点から、サーバーなどの企業ユーザー以外は、多少の対価を支払ってもproprietaryなOSとオフィスソフトを好むということのようです。
実際、ボクも今となってはword, excel, power pointこそが重要で、アンドロイドでも使っていますし、もうOSなんてどうでもいい! ホント。残念ながらファイルの共通性だけのためにMSにサブスクリプションフィーを毎年払ってますからね。論文を書こうとしても、読もうとしても、どの資料もword, excelで作られているし、配布されているので、もう外部性がデカすぎて逃れられないのです。(Elsevier、BlackwellなんかもWordで提出が原則。)さすがNadelaは先見の明があった!
さて、同じ話で、おそらくリーダーのいないBitcoinは、例えばlighteningなどの技術革新の実装が遅すぎるので、あっちこっちへと分裂しつつもコアなユーザーが支えるという、まさにLinux modelになるような感じです。もちろん、だからといってビットコインの価値がなくなるわけではないのですが、結局大きな取引だけに使われる基幹通貨を超えることはなさそうです。まさに暗号通貨ではなくて、暗号「資産」。貴金属の金や銀と同じような位置づけです。
ビットコインにはVISAやMaster, さらには「なんとかPay」と違って、小売店などにプロモーションをかける主体もいないので、よほど大きなサイト以外は使えるシステムを構築するメリットがない。(→ おそらくAmazonが作り出すAmazonコインこそが世界通貨になりそうですね、、、)
結論としては、特定の支払手段、あるいは通貨のプロモーションというのは、ネットワーク外部経済の部分が大きい。なので、大きな団体、あるいは資本による販促活動が重要になるということなんだと思います。
ちなみにEtherのほうがVitalikのような完全な(メンタルな)リーダーがいる分だけ、進化が速いと言えそうです。Rippleが完全な専制・独裁国家なら、Bitcoinは分裂し放題の無政府、Etherは現代の民主主義国家のような感じでしょうか。
と考えると、とてもBitcoinが基軸通貨にはなりそうもないことがよく分かります(苦笑)。リバタリアンはつねに無政府を理想とするものですが、ここでもボクはやはり夢想のしすぎで、人々の真のニーズを理解していないようです。人は利便のためにお金を支払うのであって、理念だけでは役に立たないということ orz
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さて日本の決済では、日本円を基軸通貨として残り、日常的な小額決済には衛星通貨として楽天ポイント, LINEポイント、Paypay, Mercariのようなポイント(そのうちSuicaもそうなりそう)が使われるようになりそうです。そうすると、伝統的なM1などの指標も修正されるでしょう。企業間の国際決済にはSWIFTに代わって、リップルのような暗号通貨が導入されて使われそうです。
こういうわけで、国際的な消費活動ではVISAがデファクトの現在、そのマージンの5%程度を取るための大きな変化は、当然ながらまったく起きていない。そうするとLINE銀行が主流になるということはあっても、ウーン それは当然に日本円に紐付けられているわけです。
これはつまり、LINE銀行が三井住友銀行に取って代わって、LINEポイントという銀行券の発券業務までやるという程度です。それは結局のところ、抽象的には あんまり大きな変化ではない。テスラの株価がフォードやGMよりも大きくなったのと同じで、ビジネスの小話としては楽しい話ですが、学問的にはそれほど面白い話ではありません。
スイマセン、だんだんと眠くなってグダグダになってきたので、今日はこのへんで失礼します。ではまたこの問題については後日一緒に考えることにしましょう。
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