kurakenyaのつれづれ日記

ヘタレ リバタリアン 進化心理学 経済学

保護貿易を支持する人は

Caplan 自身の研究によると、
貿易の自由化の支持は、


1、学歴が高くなるほど、
2、男性のほうが女性より、


高いという統計事実がある。


しかし、これがなぜなのかについ彼は詳細な説明をしていない。
ので、僕がここでタブーに挑戦しつつ、説明を試みてみよう。


僕が考えるところでは、
自由貿易を支持する人々の心には、


1、自由貿易がもたらす経済的な利益についての合理的な理解
2、愛国的な意味での国内生産物への信頼外国人への感情的な不信感


の二つがあるのだろう。


さて、学歴が高い人は経済的な利益を理解する程度が低い人よりも高いために、
自由貿易を支持しているように思われる。
あるいは同時に、リベラリズムから外国への不信感が少ないのかもしれない。


女性の場合はどうだろうか?
僕が感じるところでは、外国への不信感が大きいように思われる。
日本製の農産物を好むのは女性に多いように思うが、
それは主に外国への不信があるのだろう。
これはあるいは男性よりも女性の方がリスク回避的であるためなのではないか。


アメリカでも、メキシコ産や中国産よりも「アメリカ製」を歌った商品は多い。
笑えるのは、日本人がBSE問題で騒ぐアメリカン・ビーフが、
アメリカではproudly serve American beef! などと高らかに宣伝されていることだ。
同じように日本人が誇る国産牛肉は、かつてBSEのために中国その他に輸出できなかったのに、
日本のメディアを見ても明らかなように、日本人がそれによって国産牛を食べなくなったとは聞かない。


こういった情況が示唆するのは、愛国心や、外人・外国への不信感には、
比較生産費仮説のような細かいごちゃごちゃして面倒な説明などまったく必要ないということだ。
それほどに強く、人の心にはもともと外人への不信が生じるものなのであって、
それを克服するためには、経済的な利益と外国人への信頼を訴えるための理知的な理解がいるということなのだろう。



それはそれで経済学の意義を高め(僕の職業的な意義を生じさせ)ているのかもしれないが、
そもそも国家的な規制などなければ、あるいは国家などなければ、
僕が日本で、あるいはアメリカで、あるいはヨーロッパで現地の規制法によって収奪されなくてもすむはずなのに。
それはまた、外国差別、外人差別に反対する人のすべての人にとって、経済的な協力の機会を奪っている。
貧しい国でも働きたい人はたくさんいるのに、それに無関心であり続けるとは、
そして保護貿易を支持する人がいるとはたいへんに残念なことだ。